当院では、EBM(根拠に基づく医療)の支援ツールとして、
「DynaMed(ダイナメド)」
と
「Cochrane library(コクラン・ライブラリー)」
を導入しています。
まだご利用されたことのない方のために、どんなツールかを簡単にご紹介します。
DynaMed(ダイナメド)とは
「臨床上の疑問の多くを短時間で解決できる唯一のEBMツール」であると謳っています。そのため、内容の信頼性はもちろん、使いやすさも大変重視されています。
本文は英語ですが、Topicのタイトルだけなら日本語で検索することもできます。
読みやすさについてはかなり配慮しているだけあって、
詳細は全て箇条書き、さらに重要な部分は太字表示されています。
モバイル端末にインストールして、ふとしたときにすぐ利用することを想定したつくりでもあるようです。
DynaMedの具体的な操作方法は、 こちら をご参考下さい。
モバイル端末へのインストール手順も掲載されています。
また、どのように活用例については、検索事例(長崎大学医療教育開発センター)で紹介されています。
Cochrane library(コクラン・ライブラリー) とは
コクラン・ライブラリーは全部で6つのデータベースから成り立っていますが、その中心となるのは「コクランレビュー」といわれるレビュー集です。徹底した情報収集、批判的吟味をした後、一定の基準(ランダム化比較試験であること等)を満たした論文だけをベースに、総合的に判断して書かれていますから、 内容の信頼性は十分といえます。
ただし一つのレビューがかなり長いです。
レビューの構成として
Abstract
Background
Objectives
Methods
Results
Discussion
Authors' conclusions
Acknowledgements
Data
Appendices・・・・続く
とあり、各項目とも詳細な記述で、Abstract(抄録) だけでもかなりのボリュームがあります。
Abstract に「Plain language summary(平易な要約)」が含まれているので、まずはそこを読んでみるのもいいかもしれません。
また、Minds・医療情報サービスMinds-コクラン・レビュー・アブストラクト(日本医療機能評価機構) には、Abstract の日本語訳が幾つか無料公開されています。ただ最新版ではありませんので、できればコクランライブラリーで最新版もチェックするのが望ましいでしょう。
コクランライブラリーの使用方法は、 こちら をご参考下さい。(一部、画面構成などが実際と異なっていますが、大部分は同じです)
PubMedで検索するのとの違い
あるテーマでPubMedで検索すると多くの論文がヒットします。ただ、その論文がどれほど信頼できるものなのか、個々に吟味するのは大変です。そういった意味で、確実に信頼性の高い情報を得られる近道なのが、上記のようなEBMツールなのです。
DynaMedは臨床の疑問に最速で答えることを重要視しているため、ピンポイントでエビデンスを探すのにはとても便利でしょう。
ただ、その分野について全般的に知りたいという時は、コクランライブラリーの方が良いかもしれません。
自分でPubMedで検索し情報を吟味する前に、こういったツールを一度利用してみることをお勧めします。